一般社団法人 高知県社会福祉士会

〒780‐0870 高知県高知市本町4丁目1番地37号
丸の内ビル3F12室

巻頭言

副会長 三橋 択実

 町のあちこちで様々な花が楽しめる季節になりました。楽しい一方で花粉症の自分にとってはつらい季節でもあります。花粉症の方も多いと思いますが、皆さまはどのような対策をされていますか。僕は、かかりつけの診療所で薬を処方してもらうようにしています。今回は、その診療所の待合で読んだ本の話です。「日日是好日」という本で、茶道をテーマに日々暮らしの小さなしあわせを描いた話です。その中で、お茶は「なぜ?」という理屈を考える前に形から入るという話があります。一つ一つの所作を覚えるのにその理由を考えるのではなく、体で覚える。いわば「習うより慣れろ」であると書かれています。茶道は決まった形式に自分を当てはめて、定められた通りの動きをするという面があります。しかし、一方でおもてなしをするという意味で非常にクリエイティブな面もあるものです。ただ、このクリエイティブな部分を出すのは決まった形を習得してそのうえで独自性を出すものであって、長年受け継がれ磨かれてきた文化である、茶道の形式をまずは会得することが重要とされます。                          年度末で新たな環境に身を置く方も多いと思いますが、まずは決まった形を習得するということが大事なことのように思います。批判的な見方も大事だと思いますが、その組織や部署ごとでこれまで受けついできた最良の方法があるわけで、まずはその文化を会得したうえで、自らの独自性を出していくことがよいのではないかと思います。                          茶道はおもてなしの文化であり、お客様に満足していただく一杯のお茶をお出しするために、これまでに磨かれ継承されてきた作法を重視するものです。私たちの仕事も同じく、人々の福祉の増進のために各々の組織で実践されてきた作法があるのだと思います。批判や改革も重要ですが、まずは形から入ることも心にとめてみてはいかがでしょうか。